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石垣りん『石垣りんの手帳 1957から1998年の日記』
¥3,600
戦後女流詩人の草分け的存在である石垣りん。 生誕100年を経て没後20年を迎える現在も、 石垣りんの詩やエッセイは人々の心のひだに触れてくる。 本書は、南伊豆町町立図書館「石垣りん文学記念室」に所蔵される、 1957年の富士重工業製の手帳、1957年から1998年の間使用された 日本興業銀行製などの手帳ページの複写を、抜粋して掲載。 小さな手帳に鉛筆書きで几帳面にしたためられた、りん直筆の日常の記録から、 「社会詩」「生活詩」と謳われた詩作が生まれた背景を探るものである。 [目次より] 1974年1月1日(火) 晴天、10時起きる、年賀状252通 1975年2月20日(木)本店人事部へゆく 10時定年退職の辞令 1976年11月14日(日) シブヤで谷川さんにあって西武で洋服みてもらってかう 19772月21日(月) 誕生日、57才 岐阜県徳山村へ行く 1980年9月5日(金) 花神社大久保さんに会う 略歴500増刷の由 1988年11月28日(月) 1時青山葬場へ、草野心平さんを送る集り 「未来を祭れ」に出席 1991年5月19日(日) 午後シブヤへ出て茨木のり子さん夫君 17回忌で西村からメロン送る 1992年11月6日(金) 6スギ神楽坂・出版クラブへ行く、 「北村太郎・お別れの会」に出席 1995年1月17日(火) 午前5時46分、阪神大震災、 偶然6時少し前に目をさまし、ニューズで知る 石垣りんの愛用品 自作年賀状 自作消しゴム印 東京-石川台 定期券 1974 名刺
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鳥さんの瞼『死のやわらかい』
¥1,650
SOLD OUT
「死」を誰よりも愛し、向き合い、見つめ続ける歌人の第一歌集。 【収録歌より】 巻き貝のなかを明るくするように母は美大はむりよと言った 会うことのなかった四羽の心臓が一つに刺されて完成している 死ぬことが悲しいだけでなかったこと 落ちて初めて燃ゆ流れ星 【栞】 林あまり 『若草の香り』 岡本真帆 『「むりよ」が連れてきた明るさ』 東直子 『命に旗を立てる』 「……心をつくして死と向かい合い、命をかみしめ、生きていることを味わう。いつか必ずやってくる死をゆっくり受け入れるための心の器としての歌なのだろう。」東直子(栞文より) 判型:四六変形 角背 上製 本文96頁 ------------------------------------------- こちらの商品は店頭でも取り扱いしているため、在庫切れの可能性がございます。あらかじめご了承ください。
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堂園昌彦『やがて秋茄子へと到る』
¥2,200
◎2007年「やがて秋茄子へと到る」30首で「短歌研究」新人賞最終候補となった新鋭歌人の第一歌集。 ◎20代の歌よ、こんにちは。そしてさよなら。美しく、せつなく、不思議な余韻がひびく青春歌集。 ◎1頁に1首を配して、195首をおさめた。 ■本歌集より 美しさのことを言えって冬の日の輝く針を差し出している 砂浜を歩き海から目に届く光のためにおじぎを交わす 夕暮れに黒い電車が移動する寂しい限りの力を持って ■目次 やがて秋茄子へと到る いまほんとうに都市のうつくしさ 本は本から生まれる 暴力的な世界における春の煮豆 色彩と涙の生活 それではさようなら明烏 季節と歌たち 感情譚 彼女の記憶の中での最良のポップソング すべての信号を花束と間違える 音楽には絶賛しかない 恐怖と音韻の世界 愛しい人たちよ、それぞれの町に集まり、本を交換しながら暮らしてください 時間 あとがき ブックデザイン:関宙明(ミスター・ユニバース) A5判/フランス装/本文230頁 (出版社HPより転載) ------------------------------------------- こちらの商品は店頭でも取り扱いしているため、在庫切れの可能性がございます。あらかじめご了承ください。
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山中千瀬歌集『死なない猫を継ぐ』
¥1,980
グッドラックとあなたが言ってくれる限り、渡ってゆける激流がある。 近くにいても遠くても、手を取り合えはしなくても、この歌たちを胸に灯して生きる〈あたしたち〉だってこと、わかるよ。(川野芽生・本書「帯文」より) 栞文:馬場めぐみ・平岡直子・錦見映理子 装幀:ito mina 装画:あんのん 【6首選】 唇をなめる。お寿司の味がする。i will give you all my love. 帰らない気がした星も月もない晩、衝動を確かめようじゃん 雪の町はうつくしい名を持っていて発音できないのだあなたには 書くことでやっとあたしは出会わせる少女のあなたと少女のあたしを 逃げ延びたテルマとルイーズが迎える黒い子猫の名前をおもう あたしたちは死なない猫を継ぐ種族 本棚の本まじらせながら (出版社HPより転載)
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『現代詩が好きだ』
¥3,850
小笠原鳥類による詩評集。 北村太郎、入沢康夫、野村喜和夫、広瀬大志、吉岡実、草野心 他。 A5版 本文 452ページ 帯文 野村喜和夫 広瀬大志 ソフトカバー
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『「幻代詩アンソロジー」Vol.3』
¥1,650
49人の詩人による幻代詩アンソロジー第3弾 【参加詩人】(掲載順・敬称略) 小笠原鳥類 一方井亜稀 佐々木漣 鷹枕可 椿美砂子 石川敬大 山田真佐明 青山勇樹 十六夜 永沢俳里 飯田ひろ 白島真 でおひでお 天乃絵留 アラ降旗 川嶋ゆーじ 鳥井雪 金澤実愛 藍眞澄 蒼井百合亜 柳坪幸佳 梁川梨里 音放送 月兎 葉音 宇佐見踏繁 灘奏子 蒼河颯人 よるのものがたり 都圭晴 文雨 伽奈 二階堂慈雨 神々廻こたろう。 大山いずみ 福富ぶぶ 湯村りす うたもも 犬伏カイ 香椎柳 104hero 高橋加代子 小島ともみ 佐河 泰地 原島里枝 ひだり手枕 黒崎水華 黒崎晴臣 八島路佳男 医ヰ嶋蠱毒 広瀬大志 A5版 全116頁 表紙 高橋加代子
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荒木みどり・季村敏・扉野良人・ぱくきょんみ・藤井豊・藤原安紀子・村松美賀子・山崎佳代子『百年のわたくしvol.2』
¥1,100
2017年に徳正寺で開催されたポエトリーリーディングイベント『百年のわたくし』のリーフレット。 参加作家 荒木みどり 季村敏夫 扉野良人 ぱくきょんみ 藤井豊 藤原安紀子 村松美賀子 山崎佳代子 発行元:りいぷる・とふん
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十田撓子『あさつなぎ』
¥2,860
秋田県鹿角(かづの)市に生まれ育った詩人・十田撓子(とだ・とうこ)は、土地の記憶と、美しく、時に厳しい鹿角の自然に育まれた心象風景をもとに言葉を紡いでいます。第一詩集『銘度利加』は明治期に大湯に伝道されたロシア正教の記憶と、自身の関りとを重ねながら、詩的に昇華させ、詩壇の芥川賞とも称されるH氏賞を受賞しました(他、中原中也賞最終候補)。 その前作へのオマージュとして同じ版型を採用しつつ、黒一色に覆われた詩世界から一転、本作はやさしい目覚めのような雰囲気をまとって舞い降ります。 A5判変形・112頁 箔押し・糸綴じ・天アンカット 著者 十田撓子 発行所 Le Petit Nomade 編集・造本 山元伸子(ヒロイヨミ社) 発行日 2024年11月30日 ISBN 978-4-9913811-0-2 帯文 サウンドアーティスト 鈴木昭男 (版元紹介より引用)
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ミシマショウジ『茸の耳 鯨の耳』
¥1,980
耳は 草に生まれる 白い草に露の ひかりに踊り踏まれた靴と大地に 耳は生まれる 胸に糸玉をもって生まれてきた 百本 千本 一万本の糸だ 夜の夜を twinkle twinkle 胞子を飛ばし菌糸を織って虹の 鯨が空を泳ぐころ 土の下ではおおきな錦の布が広がる (「夏至 一」より) 究極的には、詩との関係は混沌との関係だと思う。…混沌、それはパンだ、パン生地だ。こねられる、そして、こねる。混沌が歌うのは、舞うのは、悼むのは、われわれだ。その思考に驚き、笑い、救われるような気がし、感動する。 ——管啓次郎「混沌のために」より 夏から冬へ。深い夜の中、野性の音に耳をすませ、世界の傷を夢想する。パンを焼き、詩を書くビート詩人。待望の第3詩集! 解説=管啓次郎、栞文=ヤリタミサコ、小笠原博毅 目次 序にかえて 茸の耳 鯨の耳 夏至 冬至 用語人名解説 混沌のために 管啓次郎 著者紹介 ミシマショウジ 兵庫県で自家製酵母パン店 ameen's oven を営む。パンを焼き、詩を書く。『現代詩手帖』2017 年10 月号の特集「詩と料理」に作品が掲載。詩集に『Ghost Songs』(黒パン文庫)、『パンの心臓』(トランジスター・プレス)。共著に『敷石のパリ』(トランジスター・プレス)、『舌の上の階級闘争』(リトルモア)など。友人たちと『詩の民主花』を発行し、朗読会をおこなっている。 定価 1800円+税 80ページ B6判 ペーパーバック 装丁 川邉雄 初版発行日 2024年11月30日 発行 トランジスター・プレス ISBN978-4-902951-11-0 (版元サイトより転載)
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『カナリス Vol.7 canalis』
¥900
*表紙の色が黒とピンクの2パターンあり ランダムにお送りします 柄澤齊『山水』 建畠晢『惑星二題』 藤原安紀子『a tune』 浜田優『象と私の日々』 時里二郎『伎須美野 他一篇』 制作 カナリス編集部 発行日 2021年3月31日 A4判変形 21ページ
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『カナリス Vol.6 canalis』
¥550
建畠晢『若鷹だが』 藤原安紀子『ロゼットの中身』 浜田優『洪水の前』 時里二郎『半島』 制作 カナリス編集部 発行日 2019年3月1日
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『カナリス Vol.5 canalis』
¥1,100
時里二郎『鶺鴒』 浜田優『耳の大地』 藤原安紀子『キュポス』 健畠晢『陸蒸気のアネさん』 制作 カナリス編集部 発行日 2017年5月15日
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四月と十月編集室『四月と十月vol.51』
¥1,320
表紙作品 松本将次 鯵坂兼充 石橋歩 稲垣えみ子 井上裕 内沼文蒔 おおらいえみこ オーライタロー 尾崎和美 金井三和 作村裕介 佐藤栄輔 白石ちえこ 鈴木安一郎 須田剛光 高橋収 田口順二 扉野良人 中澤季絵 浜中由紀 早川朋子 福田紀子 牧野伊三夫 松林由味子 松本将次 マメイケダ 三梨朋子 宮下香代 山﨑杉夫 山本久美子 好宮佐知子 同人紹介 ┈ 記事/連載 ┉ 東京風景「都心の空き家」 鈴木伸子 装幀のなかの絵「中垣さんの合理性と」 有山達也 珈琲「”ママ”になる日」 小坂章子 ギター「川と時間」 青木隼人 彫刻「墓石だって彫刻だ」 岡崎武志 玩具「蟹と果物」 木村衣有子 美術の本「野見山暁治の手紙」 蝦名則 (版元サイトより引用)
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未明編集室(外間隆史 / 松本孝一)『未明02』
¥2,700
- 著者 未明編集室(外間隆史 / 松本孝一) + 谷川俊太郎 / 山本昌男 / 木村朗子ほか - 定価:2,970円(本体2,700円+税)※送料別途520円 編集 / ブックデザイン : 未明編集室 頁数 : 502頁 判型 : A5判変型 / 上製本 発刊 : 2018年5月16日 ISBN : 978-4-9909902-1-3 C0093 版元 : イニュニック - 第53回造本装幀コンクール(2019) 審査員奨励賞受賞 - ポエジィとアートを連絡する叢書 02巻 詩人、音楽家、料理家、建築家、 画家、写真家etc... 様々なジャンルで活動する 執筆者たちが < ポエジィ >の一語のもとに それぞれの表現を持ち寄った 作品アンソロジー。 それが『未明』です。 現代において< 詩 >は、 もはや文芸だけに留まりません。 一行の言葉でも、 あるいは一枚の絵でも、 読者の胸のうちに明滅する 何かが起こったなら、 それが< ポエジィ >という現象です。 『未明』は、 そんな「たった一行」を 読者に届けるための まったく新しいタイプの書籍です。 - <著者紹介> 谷川俊太郎 / 山本昌男 / 木村朗子 岸本佐知子 / 菱山修三 / 横尾香央留 マーサ・ナカムラ / 小津夜景 / 白石ちえこ 牧田紗季 / ボレッタ・シリス-フー / たなかれいこ 宮尾節子 / 蜂飼耳 / 田 原 / 川口葉子 中家菜津子 / 平田詩織 / 辻山良雄 / nakaban 大塚泰子 / 扉野良人 / 村松桂 / 杉林恭雄 遊佐未森 / 山下太郎 / 有馬野絵 / ハルカ サイトヲヒデユキ / 森紀吏子 / 須藤岳史 齋藤靖朗 / 森下くるみ / 細見浩 / 松葉末吉 小松原ヱリ子 / 松本孝一 / 外間隆史 (版元サイトより引用)
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一方井亜稀『透明ディライト』
¥1,870
前作『青色とホープ』より5年ぶりとなる新詩集。 窓越しにゆらめく景色に浮かんでみえる人や物の影。 そこにいるのはもう一人の自分なのかもしれない。 もう会えない人のことをゆっくりと思い出すひと時。 ふと立ち止まってみる。 著者 一方井亜稀 四六判・並製・カバー、帯付 装幀・組版 川島雄太郎 110ページ 1,700円+税 発行 10月4日 発売 10月8日頃 ISBN 978-4-87944-582-7 (版元noteより転載)
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柊有花『旅の心を取り戻す』
¥2,090
柊有花 詩画集 このたび柊有花さんによる、「絵」と「言葉」の本を刊行いたします 明け渡してしまった 自分の心を取り戻すには 目的のない旅が必要だ 【作品紹介】 「呼吸」 人が去ったあとの海は 清らかに 打ち上げられた星は 浜一面にまたたく しなやかに編まれた 太陽の光は 海の底を明るく 照らしている 水面はやわらかに逆立ち 一枚の葉を 浜へ運んでゆく 一艘の白い舟が 岸を目指し進み かもめは追いかけ飛んでゆく 白い半月のかなた 昼の まぼろしのように浮かび ひとり 夜を待っているのか 濃い青と ブルーグリーンのあいだ 海は 海はたえまなく 呼吸している 【著者からのメッセージ】 絵と言葉の本を作りたいとずっと思っていました。わたしにとって絵は仕事でもあり、ライフワークでもあります。けれど言葉もまた欠かすことのできない大切なものです。絵と言葉は分かちがたくつねに影響しあっていて、それを自分らしい形で統合していきたいといつも考えてきました。けれど絵本や詩集など、自分の思うものを収めるにはすこし形が違うように思えて、自分が作りたいものはなんなのかさえわかりませんでした。作りたいと思うものを形にできないことは、わたしにとってとてもつらいことです。そのことが恥ずかしく、自分に対して怒りと悲しみを感じていました。 コロナ禍の内省の時間を経て、わたしがものを作ることへの意識はずいぶん変わったように思います。そのなかで2020年に作った画文集『花と言葉』に背中を押され、もっと遠くへ旅に出たいと思うようになっています。けれど同時に不安があります。家にいることに慣れてしまった自分はそんな旅へ出られるのかしら、と思うのです。 今回刊行する本が、そんな自分のなかの葛藤を打破するようなものになっているかはわかりません。けれど、自分の現在地をあらわしたものであることはまちがいないと確信しています。旅の途上の、悩み、怒り、悲しみ、進みたいと願う、未完成で等身大の自分です。 旅は楽しく面倒なもの。わたしたちにはかけがえのない日常があり、コントロールできない環境があり、いつでも旅に出られるわけではありません。けれど旅と日常のあわいに立って自分の心を眺める時間、それもまたひとつの旅なのだと思います。わたしが誰かの本を通じて自分の心をたしかめているように、この本も誰かにとってのちいさな旅への扉となることがあったら。そんな願いをこめながら、力を貸してくださるみなさまとこの本を届けられたらと思っています。 著者・装画・挿絵 柊有花 発行所 七月堂 発行日 2024年10月5日 138×148mm 88ページ (版元サイトより転載)
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ふくだぺろ『flowers like blue glass』
¥2,530
イギリスのCommonword社から出版されたふくだぺろの詩集。英語と日本語、余白の三つの言語を駆使した、視覚的にも味わい深い詩が並ぶ。英語に先行して日本語が出来あがったものが多いが、決して日本語→英語の翻訳ではなく、英語と日本語の間を往還することで成立した詩集。おさめられた詩はエメ・セゼールや松尾芭蕉と関連づけられ「静かな抗議」であり、読者であることは何なのかを問うと評される。イギリスを代表する詩賞Forward Prize for Poetry 2020ノミネート。 デザイン:大田高充 印刷:修美社 出版:Commonword社 155mmx160mm /80ページ/ドイツ装 (著者公式サイトより転載)
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小林楓太『言葉の即興演奏』
¥770
ある一つの地点での文字起こしの記録と、それに関する内容を封筒にまとめた、ブラインドブック形式に近しい冊子です。 <概要> 「街中のある地点に30分間立ち続け、録音をする。音の中から言葉だけをすくいとって、文字に起こす」 そんな営みによって紡がれた、街の言葉を記録したZINE。 あなたが街で言葉を発した時、その言葉はその場所にポツンと残される。しばらくして、また見知らぬ誰かがある言葉をそこに落としていく。しばらくたつと、見知らぬもの同士の言葉が連なりをつくっている。そんなふうに街では、ある場所に残された言葉が積もり、即興演奏を奏でている。人の声だけでなく、駅アナウンス、街広告、スマホから流れる音楽、街に流れるあらゆる言葉を、波形にみたて文字に起こした記録とそれに関するいくつかのアイテムからなる本書。各日で一冊となっており、その時間帯、地点は様々。そのそれぞれからは、都市の発話リズムが視覚的に現れ、一つ一つの言葉からは、その時の空気感—時代、年月日、季節、曜日、時間帯、その土地っぽさ—が密かに漂ってくる。そんな街の空気が封入された一冊。 <価格> 販売価格:¥770(税込) <内容物> CDサイズの封筒に納められています。 ①文字起こしの記録 街中で聞こえた言葉の記録です。詳細はnoteでも一部公開しておりますので、ご参考にしていただければ幸いです。 https://note.com/fair_plover288/ ②introリーフレット なぜ、街の一点に立ち、街の言葉を抽出するようになったのか、そのきっかけやエッセイ。文字起こしという営みの解釈。また、文字起こしの際に設けているルール等が記されています。 ③フィールドノート 異なる地点ごとに記したエッセイのようなもの。30分の録音の間に起こっていたことやふと気づいたことの記録がまとめられています。読者が、文字から情景を思い描く際、解像度を高める手がかりとなります。 ④MAP フィジカルにQRコードをつけたもの。実際の録音地点に赴くことができます。 現在、約240種類、様々な地点・時間帯で行った文字起こしの記録があります。 配送の際はランダムにお送りします。
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たかすかまさゆき『公園のまんなかにはおおきな木があって』
¥2,200
たかすかさんの詩とともに散歩し、佇み、微かな風を肌で待ってみる。 それは果てしなく孤独で、自由で、色気のある時間だ。 ――三宅唱(映画監督) 途上 坂の途上の地面は断層が剥き出しになっていて 茶色と灰色の入り混じった土が不安定に固められた足場を伝いながら 白いヘルメットを被り、紺色の作業着を着たひとがひとり降りてきて 奥の空間へと消えていく 奥では鉄骨と青いシートに覆われた穴だらけの家が 完成を待っているのか 解体を待っているのか 浅く削られた地面に鎮座していて その横で風に揺れ斜めに伸びる一本の木の緑が 家の中を行き来する作業着たちの影を曖昧に拡散している オーストラリアっていま何時だっけ? 風にのって不意に届くカタカナの地名が 坂に乗って不安定に傾くからだの姿勢をかたかたとなぞり 謎かけをたのしむように笑い声が遅れてやってくる ひゃ、ひゃ、ひゃ、ひゃ、と 穴から風が漏れるような破裂音が辺りに響き それにあわせるようにシャッター音が三度、 坂の上から鋭くたてつづけに鳴る 撃たれたように振り仰げば 空を覆う黒と灰の雲が うすくれないに染まりはじめた眼下のまち並みと 層を成しながらゆっくり下降する 加工され固定された時間をカメラにおさめたそのひとは 鳥の囀るオーケストラを背後にしながら この世の反対側にいるみたいな深く沈む眼差しを 剥き出したまま、途方に暮れて佇んでいるようにみえる 中央区立浜町公園 橋の向こうのまちのことはよく知らなかった。とぐろを巻く首都高が空を覆い、その真下の空き地で父親がちいさな子ども二人と遊んでいた。さらに進んで、大きな通りで右に曲がった。真っ直ぐ行くとまた別の橋があるらしかった。橋を渡ったらまた橋って、なんかどこにも行けんみたいやん? きっとあなたならそう言った。橋の手前で左に折れて、公園に寄った。公園では着物を模したお揃いの服を着た子ども四人がかくれんぼをしていた。隠れる場所はあまりなさそうだった。大人たちは水辺のベンチで談笑していた。その水辺に野生のネズミが一匹どこかから現れて、とてもおいしそうに水を飲んだ。公園内の照明はどれも濃い橙色だった。陽はまだ沈みきっていなかったけれど、もう空には陽が生み出す橙色は残っていなくって、陽が水平線に消え去る瞬間の淡い黄色だけが西の空にうっすら膜となって残っているだけだった。だから公園を満たす橙色は全部人工的なもので、人工的な橙色を透かして見る人間たちは、どれも古い映像のなかのひとたちみたいで、なんだか過去のようだった。もちろんそこにあなたはいなくて、わたしはひどく安心し、安心したことにひどく胸を痛めた。それから公園脇の階段から川沿いの遊歩道へ降りた。橙色は届かなくなり、陽はすっかり沈み、一段一段降りるごとに辺りは暗くなっていった。川は巨大で、真っ黒い水はひどく波打ち、歩道まで溢れてきそうだった。怖かった。そう思っていたら呑み込まれた。 それは言い訳でしかないんやん? きっとあなたならそう言った。良いわけがない。良いわけがない。意味なくくりかえすわたしはまだ川沿いの遊歩道を歩いていた。わたしのからだを運ぶのはわたしの足だった。しらじらとした蛍光灯の明かりにまみれたわたしの足の足裏が、地面に着地するまでの時間とその隔たりを正確に測る必要があると思った。目の前には色とりどりのネオンにライトアップされた大きな橋があり、川面にネオンがモザイク状に映って揺れていた。川を遡る一艘の船が橋の下を垂直に通過し、船が通った跡で切断されたネオンが揺れていた。石を投げればネオン色の煙が上がるだろう。煙の中からあなたが現れるだろう。けれども石はなかった。いつまでもアスファルトの平らな道だった。橋の上から車のヘッドライトが鋭くこちらを射す。隠れる場所はなかった。 詩集 2024/08/04発行 A5判変形 (140x210) 並製 カバー 帯 表紙絵:パウル・クレー「花ひらく木をめぐる抽象」東京国立近代美術館蔵 Photo:MOMAT/DNPartcom/帯文:三宅唱(映画監督) (版元サイトより転載)
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maco marets『Lepido and Dendron』
¥2,420
2024年6月15日、maco marets CDデビュー8周年の節目に際して制作された自身初の詩作品集『Lepido and Dendron』。 2021年以降、ストリートカルチャーマガジン『HIDDEN CHAMPION Magazine』や『3.5 magazine』といった媒体で発表した作品たちに書き下ろしの新作をくわえた、詩人・maco maretsとしての足跡とその現在地をあらわす全25篇を収録しています。 本書の大きな特徴のひとつが、書籍でありながら過去にリリースされたmaco maretsのCDや7インチレコードと同等のサイズ(約180mm × 180mmのスクエア型)でデザインが統一されている点。maco marets自身「これまで発表した音楽作品と地続きの感覚を表現したかった」と語っており、その内容とあわせて、過去作にもひけを取らないひとつの「アルバム」としてラップ・ミュージシャンならではのこだわりを詰め込んだ一冊です。 ◾️作品情報 ・著者名/タイトル:maco marets『Lepido and Dendron』 ・デザイン:Yunosuke ・印刷:藤原印刷株式会社 ・制作:Woodlands Circle ※maco marets 自主レーベル ・刊行予定日:2024年6月15日 ・価格:¥2,420 (消費税込) A4変型/64ページ (著者オンラインサイトより転載)
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山﨑修平『Wintermarkt』
¥1,000
11月23日文学フリマ東京にて発売開始をした、短歌と詩の雑誌『Wintermarkt(ヴィンターマルクト)』。このタイトルは、ドイツ語で「冬の市場」を意味し、『Sommerhaus』(夏の家)、『Herbstvilla』(秋の別邸)に続くシリーズ3冊目となります。 ◆執筆者:伊舎堂仁、伊波真人、黒瀬珂瀾、嶋稟太郎、滝本賢太郎、田中槐、田丸まひる、遠野真、中島裕介、西巻真、服部真里子、濱松哲朗、二三川練、堀静香、主水透、吉田恭大、龍翔、山﨑修平
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『みしみし』
¥1,000
みしみし 第2号 豪華連衆による歌仙三巻とその評釈、および俳句、短歌、川柳、表合せ十句からなる多彩な連衆作品を掲載しています。歌仙のひとつは「大岡信追悼脇起し七吟歌仙 覆へるともの巻」。 参加連衆(敬称略) 堀本吟、伸太、田中槐、羽田野令、藤原龍一郎、なかはられいこ、小林苑を、佐藤りえ、高松霞、なかやまなな、岡村知昭、岡田一実、西生ゆかり、くらげを、田中義之、柏柳明子 また、長文は三島ゆかりによる「大岡信と連句」を掲載しております。 2019年6月発行。 みしみし 第3号 豪華連衆による歌仙三巻とその評釈、および俳句、短歌、川柳からなる多彩な連衆作品を掲載しています。 参加連衆(敬称略) 沢茱萸、瀧村小奈生、赤野四羽、藤原龍一郎、近恵、八上桐子、西川火尖、小久保佳世子、大室ゆらぎ、亀山鯖男、小池正博、植松七重、仲田陽子、柏柳明子、堀本吟、三宅政吉、羽田野令 また、長文は三島ゆかりによる「生駒大祐『水界園丁』を読む」を掲載しております。 2019年10月発行。 みしみし 第4号 豪華連衆による歌仙三巻とその評釈、および俳句、短歌、川柳からなる多彩な連衆作品を掲載しています。 参加連衆(敬称略) 佐山哲郎、なかはられいこ、鴇田智哉、高橋洋子、田中槐、佐藤りえ、中嶋憲武、浅沼璞、西生ゆかり、西原天気、堺谷真人、冬泉、月野ぽぽな、岡田由季、斎藤秀雄、小林苑を また、長文は三島ゆかりによる「浅沼璞『塗中録』を読む」を掲載しております。 2020年2月発行。 みしみし 第9号 豪華連衆による歌仙二巻と、俳句、短歌、川柳、無季自由律、表合せ十句からなる多彩な連衆作品を掲載しています。 参加連衆(敬称略) 青山酔鳴、西原天気、七風姿、岡本遊凪、山本掌、月犬、鈴木健司、西生ゆかり、斉藤秀雄、なかやまなな、今朝、なかはられいこ、沢茱萸 また、長文は三島ゆかりによる「岡田一実『光聴』を読む」、「岡田一実『記憶における沼とその他の在処』を読む」を掲載しております。 2021年6月発行。 みしみし 第10号 豪華連衆による歌仙三巻と評釈、および俳句、短歌、川柳、現代音楽からなる多彩な連衆作品を掲載しています。 「広げたるの巻」は岡田由季さん角川俳句賞受賞記念に巻いたもので、。 参加連衆(敬称略) 西脇祥貴、西川火尖、佐藤りえ、堀本 吟、小笠原黒兎、なかやまなな、山本 掌、冬泉、青山酔鳴、鮭児、羽田野令、太田うさぎ、岡田由季(連句のみ)。 現代音楽の歌曲の楽譜を掲載した連句誌は他にないのではないかと思います。 また、長文は三島ゆかりによる「永遠の転校生──岡田由季『犬の眉』を読む──」を掲載しております。 2021年12月発行。 みしみし 第11号 豪華連衆による歌仙三巻とその評釈、および俳句、短歌、川柳、現代詩からなる多彩な連衆作品を掲載しています。 参加連衆(敬称略) 抹茶金魚、近恵、藤原龍一郎、堀本吟、天宮風牙(連句のみ)、小林苑を、佐藤りえ、山本掌、沖らくだ、田中槐、岡村知昭、八上桐子、青山酔鳴、亀山鯖男、大室ゆらぎ、鴇田智哉 また、長文は三島ゆかりによる「太田うさぎ『また明日』を読む」を掲載しております。 2023年4月発行。 (公式サイトより転載)
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『俳句雑誌 翻車魚(まんばう)Vol.1 ,Vol.2,vol.5』
¥500
佐藤文香・関悦史・高山れおなによる俳句雑誌「翻車魚(まんばう)」 翻車魚 Vol.01 -まんばう号- 【巻頭エッセイ】 マンボウ研究と俳句の奇縁 海星夏輝 【俳句作品】 ヨツアナカシパン 関悦史 手下浦 佐藤文香 【エッセイ】 「翻車魚」参加のいきさつとか 俳句甲子園にまつわる奇妙な情熱とか 関悦史 【詩】 三ツ重 佐藤文香 【編集後記・プロフィール】 翻車魚 vol.02 -かものはし号- 【巻頭エッセイ】 「カモノハシという名前の由来」 浅原正和 招待作品 「かものはし」 小野あらた 【特集 佐藤文香】 佐藤文香論 柳元佑太 柳元佑太選 佐藤文香一〇〇句 俳句 雪月花 佐藤文香 エッセイ 貢献したい 佐藤文香 【俳句】 件 関悦史 【エッセイ】 土浦市真鍋台の講中のこと 関悦史 【編集後記・プロフィール】 翻車魚 vol.05 -獅子(ライオン)号- 【巻頭エッセイ】 箱入り猫と箱入り男と 佐々木幸喜 【招待作品】 luminol 森本孝徳 【コメンタリー】 自註俳諧曾我 高山れおな 【俳句】 重力波 関悦史 月の普遍 佐藤文香 「セキエツを味わうための十一の皿」による題詠 高山れおな 【エッセイ】 秋晴なのでどこかへ行きたい 関悦史 【詩】 少年君 佐藤文香 【編集後記・プロフィール】 (公式サイトより転載)
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『妃 kisaki 一番高貴な詩の雑誌 第23号,第24号』
¥850
妃 kisaki 一番高貴な詩の雑誌 第23号 阿賀猥,有働薫,瓜生ゆき,尾関忍,小谷松かや,川瀬慈,鈴木ユリイカ,田中庸介,谷合吉重,月読亭羽音,新延拳,葉山美玖,広田修,細田傳造,梁川梨里,山本育夫,渡辺めぐみ,岸田裕史,髙野吾朗,タケイ・リエ,長尾高弘,中村隆之,萩原健次郎,穂村弘 妃 kisaki 一番高貴な詩の雑誌 第24号 阿賀猥,広田修,細田傳造,新延拳,山本育夫,葉山美玖,有働薫,川瀬慈,田中庸介,鈴木ユリイカ,瓜生ゆき,後藤理絵,渡辺めぐみ,小谷松かや,尾関忍,月読亭羽音,谷合吉重,坂多瑩子,原子修,渡辺玄英,福田知子