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仲西森奈『起こさないでください』
¥1,320
仲西森奈・初の歌集。たくさんの短歌と、いくつかのエッセイや日記や短編小説のようなもの、それを貫く索引が、一冊の中にリズミカルに綴じられています。 〈熱湯を注いで3分待ってから1時間半寝ちゃったら春〉 〈結末は結膜に似て(だじゃれかよ)(でも似てるんだよ)見つめ合う海〉 〈わたしいましんでもいいわなんていま言えないくらい今、今がすき〉 〈「信号が青になっても渡りたくないような気持ち」を提出しなさい〉 〈夕立の中 自転車を漕ぎながら笑っていたらもうだいじょうぶ〉 紙版は1800円+税のところ、データ販売特別価格にて1200円+税。 コデックス装の背にタイトルが印刷された、ぺたんと開く紙版の造本も魅力的ですが、いつでもどこでも持ち歩けて、ふとしたときにぱらぱらとめくれるPDF版の軽やかさもまた、この作品にぴったりです(余談ですが、紙版のコデックスの背のタイトルがどのようにデザインされているかも、このPDFを見るとわかったりします)。 ◎ページ数 本文252ページ
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popatootie『POWANT MAGAZINE』Vol.3
¥500
映画×LIFE をコンセプトに、音楽やファッション、心に残った言葉など、映画を通して出会ったあれやこれやを作者の主観たっぷりにお届けするエンターテインメントマガzine。 待望!? 且つお久しぶりの第3弾! 第3号のテーマは、「Embrace your emo」です。 2020 年からのコロナ禍で、色々な制限や不自由がある中でも、生きづらさや居心地の悪さもぜんぶ抱きしめながら暮らしていけたら......。という気持ちを込めました。 映画業界にもたくさんの影響を及ぼしたコロナですが、 劇場や書店、文化(サブカルも)を生み出す場所でも今も必死に頑張っている方たちがいます。 私たちも、そんな世界を愛して大切にしている内のひとりです。 毎日制限された世界の中でも、少しでも映画やそれにまつわるちょっとした文化に触れて、 クスッと笑えて、読者さまのひらめきのヒントになるようなzineになれば良いなと思っています。 前号より少しコンパクトですが、妄想も想像もイラストもたっぷりでお届けします。 目次: ・まえがき ・Stay Gold -輝き続ける彼らのこと- ・わたしたちはいつまでミニスカートが履けるのか問題(映画とドラマでみる年相応のファッション) ・文通キネマ(寄稿:五月六夏) ・妄想座談会(もし女4人で飲食店を開店するとしたら) ・妄想座談会でひらめいたレシピ ・わたしたちは「 」を抱きしめることができる? ・『マンチェスター・バイ・ザ・シー』に寄せて ・あとがき ・A5サイズ ・28 ページ ・フルカラー
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川瀬慈『私の中の野生』
¥500
映像人類学者の川瀬慈さんによる、自らの野生を掘り下げる歩行と思考の記録。 毎日新聞での連載エッセイといくつかの詩編を、筆者の生家付近の自然の中で撮影した写真とともにまとめたデジタルリトルプレス。 ◎目次 先客の歩行 曽祖父とヒル ぬめり 鳥の歌声の旅 標 伝承 さずかる 写す 私の中の野生 牛の聴力 海と浜のあわい 土に還る 私は歌 宴 ◎本文66ページ
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亀石みゆき『CINEMA TALK』vol.1
¥770
亀石みゆきさん(https://twitter.com/mkameishi?s=20)による映画感想シリーズ「CINEMA TALK」の第一号です。 特集は「児童文学と映画」。 全編カラーのイラストと文章を、pdfデータでお楽しみください。 ◎目次 ・魔女の世界 『ミルドレッドの魔女学校』 『ナニー・マクフフィーの魔法の杖』 『西の魔女が死んだ』 『魔女の宅急便』 ・北欧の暮らし 『ヘイフラワーとキルトシュー』 『長くつ下のピッピ』 『ロッタちゃんはじめてのおつかい』 『私たちの島で わんぱくアザラシのモーセ』 ・不朽の名作 『点子ちゃんとアントン』 『アンという名の少女』 『テンプルちゃんの小公女』 『秘密の花園』 ◎本文49ページ
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山内尚『シミズくんとヤマウチくん』
¥500
山内尚さん(https://twitter.com/yamauchinao)による、すべての段階でパートナーチェック済みの男体化ボーイズラブエッセイです。ふたり暮らしのことをこまごまと描いています。 ・本文36ページ
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山内尚『月経期 履けばいいパンツ編』
¥500
「月経記 履けばいいパンツ編」 山内尚さん(https://twitter.com/yamauchinao)による、月経カップへの愛そして挫折から、履けば大丈夫なパンツに至るまでの、ご自身の生理事情を描いたエッセイ漫画です。 ・本文24ページ
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山内尚『月経期 月経カップ編』
¥500
山内尚さん(https://twitter.com/yamauchinao)による、月経カップを使うに至ったご自身の生理事情を描いたエッセイ漫画です。 ・本文24ページ
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楽しい人生『うるわしき怠惰』
¥500
楽しい人生さん(https://twitter.com/keisotsusan)によるエッセイ集です。 noteとtwitterからの再録と一部書き下ろし。 ・本文30ページ/A5サイズ ・第29回文学フリマ東京にて頒布されました ・表紙:山内尚(https://twitter.com/yamauchinao)
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楽しい人生『魂が貴族』
¥500
楽しい人生さん(https://twitter.com/keisotsusan)によるエッセイ集です。 noteで書いている「物欲日記」シリーズ(https://note.mu/tanosizinsei)の一部再録と書き下ろしが2編。 ・本文28ページ ・第27回文学フリマ東京にて頒布されました ・表紙と挿絵:山内尚(https://twitter.com/yamauchinao)
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高山かおり『Magazine isn’t dead.とわたしと北海道』
¥500
独断と偏見による国内外のマニアックな雑誌に特化したウェブサイト「Magazine isn’t dead.」が2019年10月に創刊したプリントメディア、『NEWSPRINTS.』。その創刊号を再構成したものと、主宰の高山かおりが『北海道と京都と その界隈』で連載中のエッセイ「偏愛北海道」のvol.1〜5までを無理矢理合体。ここでしか販売しないオリジナル版です。 ◎目次 「Magazine isn’t dead.とわたし」 STORY #01 VOICE つくり手より。 #01 きくちゆみこ『voice-peace』 わたしと雑誌と。 #01 『Print Isn’t Dead.』 「偏愛北海道」 vol.1 六花亭が好きすぎて。+4年後の「六花亭が好きすぎて。」 vol.2 海より山派。+4年後の「海より山派。」 vol.3 私とすずらん+3年半後の「私とすずらん」 vol.4 ふるさとの味、インデアン。+3年後の「ふるさとの味、インデアン。」 vol.5 十勝と京都とKONCOSと。+3年後の「十勝と京都とKONCOSと。」 ・あとがきのようなもの ◎初出 「Magazine isn’t dead. とわたし」 STORY #01 VOICE NEWSPRINTS. #01(2019 年10 月発行) つくり手より。#01 きくちゆみこ 『voice - peace』 NEWSPRINTS. #01(2019 年10 月発行) わたしと雑誌と。#01 『Print Isn’t Dead.』 NEWSPRINTS. #01(2019 年10 月発行) 「偏愛北海道」 vol.1 六花亭が好きすぎて。『北海道と京都と その界隈』No.02 July 2016 vol.2 海より山派。『北海道と京都と その界隈』No.03 October 2016 vol.3 私とすずらん『北海道と京都と その界隈』No.04 April 2017 vol.4 ふるさとの味、インデアン。『北海道と京都と その界隈』No.05 August 2017 vol.5 十勝と京都とKONCOS と。 『北海道と京都と その界隈』No.06 December 2017 ※それぞれの「○年後の〜」は書き下ろし ◎本文28ページ
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太田靖久『切る』
¥600
2010年『ののの』で「新潮」新人賞を受賞してデビューした太田靖久が、その8年前の2002年に<太田川太郎>名義で「文學界」新人賞に応募し、最終選考に残った作品の初公開。 妄想と現実のつなぎ目がないまっすぐな道を疾走する男。暴力衝動と哀しみを抱えたまま、彼が辿り着く先に幸福はあるのか。 青春の悲劇を描いた物語。
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太田靖久『死に体』
¥600
2010年『ののの』で「新潮」新人賞を受賞してデビューした太田靖久が、その7年前の2003年に<太田川太郎>名義で「文學界」新人賞に応募し、最終選考に残った作品の初公開。 ふたりの男とひとりの女、それぞれの病が現実になる時、世界の天井が崩れ、光が世界を包む。 青春の終わりを描いた物語。
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『ランバーロール 03』
¥1,500
2016年に、漫画家の安永知澄、森泉岳土、おくやまゆかの3人によって創刊された、漫画と文学のリトルプレス「ランバーロール」。号を経るごとにパワーアップして、このたび3号がついに完成。 レギュラーメンバーの描き下ろし作品のほか、オカヤイヅミ、ひうち棚、古山フウの漫画、そしてなんと、ガロで活躍した伝説の漫画家・鈴木翁二の描き下ろし作品が掲載されています。小説パートは、滝口悠生、町屋良平、水原涼の短編作品を収録。読みどころ満載の182ページ。吉岡秀典さん(セプテンバーカウボーイ)によるデザインも必見です! 目次 オカヤイヅミ 肩 滝口悠生 忘れたことが思い出せない ひうち棚 柿の木 おくやまゆか 冬のフローリング海を泳ぐ 水原涼 舌は憶えている 森泉岳土 爪のようなもの 鈴木翁二 きみの人さしユビ 古山フウ ムーンドライブ 町屋良平 沖野 安永知澄 ツナの樹 ◎ページ数 本文180ページ
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柴崎友香『行ったことのない場所を歩きたい』
¥600
2019年、台湾の文芸誌『聯合文学』にて1年間連載されていたエッセイから11編を、著者が台湾で撮影した写真とともにまとめたデジタルリトルプレス。 日本で公開するのはここが初めてです。今は行くことが難しくなっていますが、この数年に訪ねたあちこちの町のこと、思い出すできごとなど書いています。行ったことのない場所を思いながら、お読みください。 ◎総文字数/ページ数 約22,400字/本文50ページ(写真あり)
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佐久間裕美子『DETROIT and I(Sakumag vol.3)』
¥900
自動車業界、モータウン、デトロイト・ハウスなど、かつては商業的・文化的に栄えながら、自動車業界の不振から回復できないまま2013年に財政破綻を経験し、復興の道を歩むデトロイト。デトロイトの過去、現在を「Before」「After」から描く「デトロイトと私」。#blacklivesmatter ◎ページ数 本文48P(24P×2) ※A面とB面と表紙、それぞれのPDFデータがZIPファイルにまとめられています。
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『新奇蹟』創刊号
¥500
大正時代、早稲田大学の学生が刊行した文芸誌『奇蹟』。2017年、その大正時代の息吹を受け継ぎつつ、平成生まれの早稲田卒業生が新たに創刊した文芸誌が『新奇蹟』です。 大正の文芸誌をオマージュした表紙だけではなく、目次をはじめとするページデザイン、妥協のない内容にいたるまで、大きな支持を集めながら、2019年までに全10巻を刊行し、一旦の終刊を見た本誌ですが、このたび、売り切れとなっていた創刊号をデジタル配信いたします。 (本文は出版当時のデータです。) ◎全103ページ
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管啓次郎『アラスカ日記2014』
¥500
目的は熊、鮭、鷲、くじらを目撃すること。星野道夫の親友だったリン・スクーラーに導かれ、いきなりアラスカの核心に入る2週間の旅の記録「アラスカ日記」(一部は「すばる」(2017年4月号に「アラスカ日記2014」として発表された旅日記の完全版)。 そして旅の記述をめぐる、日本ケベック学会での講演「旅を書くことを学ぶ」を付しました。 旅に思索を求める人、必読の組み合わせです。 ◎総文字数/23775字
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『穴のあいた春|void in the spring』
¥1,320
〈私たちは常にボーダーランドに暮らしている〉。アートブックの出版レーベル「TISSUE PAPERS」から、テキスト中心のリトルプレスが登場。 この2020年4月の間に制作・発行された完全新作。コロナ禍のなかで表現にたずさわる、さまざまな人の「ごく短期間の記録」が掲載されている。 これほどこの「2020年4月」を強く感じさせる本に、ぼくはまだ出会っていない。 「穴の開いた春」に呆然と、あるいは毅然と立ち、まだしばらく、これからも生きていくことになるであろう人に。デザイン・米山菜津子。(内沼) ◎執筆者・掲載順 butaji(シンガーソングライター):文章と音源 ドミニク・チェン(情報学研究者):写真日記 毛利悠子(美術家):文章 高橋恭司(写真家):文章と夢日記 サヌキナオヤ(イラストレーター):漫画 清水チナツ(キュレーター):写真日記 熊谷直子(写真家):文章と写真 米山菜津子(アートディレクター):文章と写真 ◎編者より 移動し、人に会い、別れ、働き、食べて飲んで暮らす。これまで当然のように続いてきた営みが制限され、いつ終わるともしれない疫病の恐怖、生活上の不安など、数十億の人々が共通の体験をすることになった、2020年の春。日々メディアを大きな数字が流れ、世界中で「みんなで」「一つになって」「打ち勝とう」という言葉が叫ばれるのを目にする、世界史的な時間を私たちは生きています。 しかしながら、人がこの困難に対峙することを可能にしてくれるのは、 本質的にはあくまで一人ひとりの生への信頼であり、世の大きなムードには決して回収され得ないはずの超個人的な思考や感情への信頼であるはず。そう考え、急遽「今、何を考えているんだろう」と思ったみなさんの個人的な思いをご寄稿いただき、一冊のリトルプレスにしました。 勢い任せでつくった本で、まだ「ブックス」と呼べるほどのシリーズにするかどうかもわからないのですが、これを「ボーダーランド・ブックス」と名づけることにしました。このコロナ禍によって残念ながら様々な社会の断層が可視化されているような(もちろん、その逆に素晴らしい相互扶助や相互信頼の形も私たちは目にしています)昨今ですが、その断層は今になって現れたものではなく、私たちが見えなかった / 見て見ぬふりをしていただけで、もともと私たちの社会に存在していたものであること。私たちは常にボーダーランドに暮らしているのだということを考える手引きとなる本、というくらいの意味です。 この先の社会のこと、コロナ以降の世界のこと、考えることはたくさんありますが、ここではみなさんが今この時間をともにしている感情や揺らぎ、不安、希望、怒りなどをもとに、ごく短期間の記録( 日記、随筆、フィクション、絵、写真、 音楽など形式は問いませんと、みなさんには伝えました )を寄せていただきました。 いずれ時間の流れとともに薄れていくそうした思考をなるべくリアルタイムに近い形で残し、この夜の時代と、ならびにこの国がすべての小さなものを埋め立てながら目指してきた2020年という年に突然あいた奇妙で深い虚無の穴の淵に立って、もう一度私たちの生きる時代を眺めてみるための処方のようなものに、この本がなっていれば幸いです。 安東嵩史(本書編集発行人) ◎ページ数 本文114ページ
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福永信『「父と子」&「店」』
¥500
温泉で息子と再会した老父が、一方的に語りかけ続け、最後まで湯から出ない湯more短編「父と子」(「すばる」2016年7月号)。 書くと死ぬ病を得たライターが、生き延びるために店を開くが何の店だが自分でも結局わからない短編「店」(「新潮」2015年12月号)。 著者自選、単行本未収録作のカップリング、両B面的(B&B?)傑作です。 ◎総文字数/35798字
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ナガノハル『ふにおちない暮らし 専業主婦フェミニストの生活』
¥1,000
専業主婦フェミニストである著者が、日常生活のなかで生じるモヤモヤを、個人的なことから政治的なことへと広げてフェミニズム的に考えていくさまが描かれています。 ※本屋B&B内のSHOP IN SHOP、etc.bookshopからの販売です。 下記ページで本作をおすすめしています。 http://bookandbeer.com/gallery/etcbookshop/ ※店頭にて紙版も販売しています。 ナガノハルさんtwitter https://twitter.com/naganoharu644 ◎全104ページ
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『ZINEアカミミ 第二号 特集:ごきげん』
¥800
『プルーストを読む生活』の柿内正午さんが編集長をつとめる『ZINEアカミミ』の第2号。テーマは「ごきげん」。5月の文学フリマ東京で頒布予定だったものの、中止となってしまったために急遽、デジタル版PDFとしてリリースされたものです。 * 僕たち夫婦はよく「ごきげん」という言葉を使う。 創刊号の巻頭にエッセイを寄せてくれた渋木すずさんと一緒に『ごきげんに生きる』と銘打ったお芝居の発表会を企画したこともある。 いつか床子さんは僕たちとサンリオ・ピューロランドにお出かけしたとき、僕らの「ごきげん」観について「性ごきげん説」だと評した。曰く、僕らの「ごきげん」は加点方式でもなければ減点方式でもなく、ただニュートラルな状態でいさえすれば人はいい機嫌でいられるという考え方なのだと。体調不良や心配事から天気や気圧の調子まで、自分にとって嫌なことから受ける影響をなるべく排したところに僕たちの「ごきげん」はある。 できるだけやりたいことをやり、なるべくやりたくないことはしない。 やりたいことだけやってやる、というのでも、やりたくないことはやらない、でもなく、可能な限り、無理のない範囲での工夫をする。どんなよさそうに見えることであれ、原理的に極端に振り切ってしまうと、それはそれで「ごきげん」は損なわれてしまうからだ。 僕たち夫婦にとって「ごきげん」は、ポケモンの「どく」や「まひ」でもなければ、スターを取ったマリオの「無敵状態」でもない、「なんでもない状態」のことなのだ。 こうして考えていくうちに、踊るうさぎさんが言った。 「ごきげん」のあとにどんな動詞が続くかがポイントなんじゃない? 「性ごきげん説」の場合は、ごきげんになるだろうか、ごきげんである、だろうか。ごきげんでいる、というのが、いちばん近いような気がする。 人によって「ごきげん」を引き受ける動詞は異なるだろう。ごきげんを守る、ごきげんを作る、ごきげんを整える…… 「ごきげん」と隣接する動詞が食い違ったまま「ごきげん」は素晴らしいものだと称揚することは、場合によっては新たな抑圧や「ごきハラ(ごきげんハラスメント。我が家の造語)」でありうる。たとば「ごきげん」を守る人にとって、僕たちのようにいる人は、ただ状況に流されるがままでいる怠慢なやつらに見えるかもしれないし、僕たちからすれば、ごきげんを作るような人たちはちょっと元気がありすぎて怖いようにも感じられることもあるだろう。 皆さんは、「ごきげん」をどんな動詞で受けますか。 「ごきげん」そのものの解釈よりも、人それぞれの「ごきげん」に対する具体的な動作にこそ、一人一人を結びつけも切り離しもするようなちがいがあるのではないか。 そうであるなら、そのちがいを明らかにして、それぞれの「ごきげん」へのアプローチの工夫や矜持を面白がりたい。それぞれの健闘をなるべく行き違いのない形で称え合いたい。 一人一人の毎日の生活における「ごきげん」をめぐる試行錯誤を聴いてみたいと思っています。 発行元:零貨店アカミミ ◎目次 山岸大樹「深夜鈍足」 渋木すず「悪くなく生きる」 いちにー「くたびれた OL によるごきげんのためのルーティン」 かものはし「辿り着くまで」 水辺のヌエ「それでも、ごきげん」 川本瑠「他者をごきげんに面白がるための『マリッジ・ストーリー』論 -トリュフォー、エウリピデス、そして多部未華子を手掛かりにー」 編集部「我(と)我のごきげん」 辻本直樹「不要不急のコレクション 〜トーク・スクリプツによせて〜」 編集部「ごきげん」についてもっと考えたいときの本と映画 ◎本文 48ページ
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『ZINEアカミミ 創刊号 特集:家族』
¥800
「血縁や戸籍にこだわらず、気の合う人たちと複数世帯で大きな家の家賃や家事を折半して暮らせば 、コストを抑えつついい暮らしができるんじゃないか」 この仮説のもとに、そうした「いい暮らし」の具体的な実装のとっかかりとして「家」のありかたについて考えなおしてみるためのZINEの創刊号。テーマは「家族」です。 * 今、みんなで支えあって一生ごきげんに暮らしていくための仕組みと場所=「家」を作ろうと日々やりくりしている。この「家」の仮称は「アカミミハウス」だ。名前の由来については本編「アカミミハウスの気分」を読んでほしい。 なんとなくこの「家」のことをシェアハウスだとかコレクティブハウスだとか言い切りたくないという気持ちがある。それらの言葉はわかりやすいがたとえばコミュニティというものをどうしたって想起させる。地方都市のムラ社会において、拳ですべてを解決してしまいそうなヤンキーたちに日々ビクビクしながらひっそりと暮らした悔しさが清算しきれていない僕のような人間にとって、コミュニティという言葉や、そこにつきまとう「絆」「つながり」みたいなものに対してどうしてもウエエッという気持ちになってしまうのだ。 できたら、そうじゃないやり方で他人と一緒になんとかやってくことはできないか。共同体でも組織でももちろん国でもないあり方。これまでそうしたスキマ需要を引き受けてきたのはたとえば家族だろう。家族というものは、しかしまたやっかいなもので、この言葉にまとわりついた呪いも膨大なバリエーションと強靭さを持っている。しかし、ここならまだ手を出せる気がする。なぜならそこにあるのはまだ抽象的な概念に先立った具体的な個人たちだからだ。具体的な人間関係を前に理念は無力だ。僕はこれを絶望だと思って抱えてきたが、むしろここにこそ希望がありうるんじゃないかと考え直している。そもそも家族だって、血縁関係があったりなかったりするだけで偶然寄り集まった他人同士だ。それであれば自分たちで気の合う人たちを選び合って、居心地のいい「家」を一緒に作っていこうというのだって、そんなにおかしな話じゃないはずだ。むしろ結構いい話なはずだ。そうやってアントレプレナーシップでもって「家」を作る。ベンチャー「家」。 僕はいまこれから作っていきたい「アカミミハウス」をそういうものとして想定している。 「家」において肝心なのは、てんでばらばらで、決して分かり合うこともない他者同士がひとつ屋根の下同じ釜の飯を食うという一点だけでなんとなく寄り集まっていることだと思っている。「家」というのは、連帯というにはいい加減で、共同体というには心もとなく、コミュニティというには流動的である、そういうあいまいな位置にちゃっかり収まることができるんじゃないか。そのあいまいさにこそ、楽観は宿る。そのはず。 ちゃんと楽観するために、解像度高くあいまいさに留まる力をつけよう。このZINEは、そのために作りました。 発行元:零貨店アカミミ ◎目次 渋木すず「パーティーはこれから」 編集部「アカミミハウスの提案」 望月友子「シェアハウス」 いつか床子「柿内夫妻がサンリオピューロランド・ダンジョンを攻略するために用意するいくつかの呪文に関して」 柿内正午「アカミミハウスの気分」 踊るうさぎ「ごきマス日誌」 山岸大樹「もうすこしだけ自由な『ホーム』の構想に向けて」 カゲヤマ気象台「さいきん天気の子とタランティーノの新作を観ました。信じるものに振り切らないといけない時代ですね。」 川本瑠「『家族』のエチュード ―トリュフォー映画をめぐって― 」 編集部「『家』についてもっと考えたいときの本と映画」 柿内の母「母の原稿」 ◎本文 64ページ
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片山亜紀訳/ヴァージニア・ウルフ『おばあさんとオウム――本当にあった物語』
¥600
ヴァージニア・ウルフが、甥の発行する家庭新聞に寄稿した心温まる短編。 犬とふたり暮らしのおばあさんに届いた知らせが、オウムのジェイムズとおばあさんを引き合わせます。その夜に起きた出来事とは――? この作品の日本語訳の公開はこれが初めてとなります。 ウルフの翻訳としては平凡社ライブラリー『自分ひとりの部屋』『三ギニー』『幕間』、エトセトラブックス『ある協会』が記憶に新しい片山亜紀さんからの提供。注釈・訳者解説つき。 ◎本文14ページ/11731文字
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『SAUNTER Magazine Vol.01』ダイジェスト版
¥800
世界の文化や自然、旅のドキュメントを美しい写真と共に伝える、 日本屋久島発の雑誌「サウンターマガジン」。 今回は記念すべき創刊号から、ダイジェスト版として40PをPDF販売します。 養老孟司(解剖学者)、Shing02(MC/プロデューサー)、haruka nakamura(音楽家)、内田輝(音楽家)によるテキストページはすべて収録しています。 ※店頭で販売している紙版は100P/2750円税込です。 公式サイト https://kiltyinc.com/saunter/saunter01/ ◎2019年夏刊行/40ページ